俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


そう喚き散らして現れたのは、陰陽師の少女だった。

……あぁ、俺が直接手を下した音宮優の娘だな。

鬱陶しい。と、感じたが。



《殺してやる》



ストレートにぶつけられた殺気は、何故か心地良かった。



おまえが死ねば良かったのに。と、責められることのなかった過去。

……本当はみんな、そう思っていたんだろ?

憎くて、憎くて仕方なかったはず。

しかし、誰も何も俺を責めることはなくて、もどかしかった。

いっそのこと、責めてくれれば楽だったのに。



《殺してやる》



そう言うのならば、いつか殺してくれよ。

俺は、自分で自分を殺せないチキンだ。



過去の痛みが思い出され、何故か高揚してしまった。



そうして俺は、全滅しかけている同胞を放って魔界を渡る。

何故逃げたのかは、わからない。

今思えば、死にたくない。ただのチキンだったからだろう。



死にたくない。

でも、彼女のいない世界で生きることに意味はあるか。

でも、自分で自分を殺せない。

でも……死にたいんだ。



母も彼女も死んで、何故俺が生きている?

生きている負い目に、押し潰されそうだ。