俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


何故、彼女が死ななければならないんだ。



《何も無くなった世界で、二人で過ごしたい。ただ、二人で肩を寄せて》



俺たちの描いた未来の向こうに、君がいないなんて……どうすればいいんだ?

絶望で頭が真っ白になったのは、言うまでもない。

道標を失い、彷徨う子羊のようだ。



彼女がいないこの世界、生きている意味がないから、俺も後を追うことも考えた。

……だが、出来なかった。

自らの命を断てるほど、俺は勇敢ではなかったらしい。

自分に向けた拳が震えて動かなかった。



だが、彼女が死んだだけでは俺たちの目論みは止まらない。半人半魔は俺と彼女だけではないのだ。

もう、後に引き返せないところまで来ていた。



陰陽師、神童らと同胞が戦うその戦火の渦を冷めた目で見下ろす。



……くだらない。

彼女もいないまま、同胞と心中してやる義理はない。

開きかけた紫の門を巡る中、俺は一人、その開いた門を使って敢えての離脱を試みようとした。

その時だった。



『リグ・ヴェーダ……殺してやる!親父をあんな目に合わせて!』