俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


でも、ここまで来たら負けていられるか!

私も抵抗するように、霊力、借りた神力振り絞って強く押し返した。



……絶対、諦めない。




『明日また会えればそれで良い』

『おまえがいれば、それで良い』




護りたい。……約束されている、明日を。

私の大切な、みんなで笑っている明日を。



思いが膨れ上がってしまい、咆哮をあげながら、渾身の力で抵抗してくる圧力を、印を結んだ手で振り切る。

それに合わせて術陣の火炎も風に煽られたかのように巻き起こり、大きな爆発音を伴って弾けた。

弾けた火炎は一瞬にして消え去り、紅くキラキラとした粒子となって、辺りに降り落ちる。

術陣は既に消えていて……その中心にあった、水晶鉱物も。



ガラガラと音を立てて、崩れ落ちていた。



その様子を警戒を強めたまま凝視する。

どんどん崩れ落ちる鉱物、やがてカタチは無くなっていく。

全て崩れたところでパンッ!と弾け、水晶鉱物の残りのカケラもサラサラと粉状になっていった。



(や、やった……)



……だが、安堵している場合ではなく。



その崩れた『核』の横には。

魔力に飲み込まれたはずのリグ・ヴェーダが、仰向けになって倒れていた。