俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


(……)



まずは、そっちから名乗れ。

……と、言いたいところだが。

まさかの推測通りだと、私から名乗るのが筋なのである。



これは……儀式なのだから。



事の状況を断定することが出来ず、口を結んだままでいた。

だが、事が進まない状況に、相手の女性が急かしてくるようだ。



《ちょっとぉー。先代が次代への継承を了解したから、貴女のところにやってきたのにぃー》



私が固まったままでいることに苛ついたのか、相手は随分と砕けた話し方になった。

だが、今の会話。そこが問題ではない。



……え?先代が継承を了解した?



「ま、待って!先代が継承を了解したって!お、親父は……!」



相手のこの一言で、いくつもの謎が明かされる。

やはり、これは我が一族の神童、当主継承の儀。

そして、こんな場面でこんな急にこの儀式が執り行われているなんて。ちょっと意味わかんないんだけど。

もしかして。



「親父の意識が戻ってるのか……?」



すると、目の前の人影は首を傾げる。



《……そこの事情はよくわからないんだけど。でも、今の【緊那羅】の神童が、次代へ継承するって言ってんだから。だから私、貴女のところに来たのよ》