ふと、視界にキラキラとした瞬きに気付く。
金粉がフワッと浮かんでは弾けるような輝きだ。
(これは……何だ?)
出所を探そうと、足元確認のため視線を下に落とす。
だが、いつのまにか状況が変わっていた。
「なっ……」
私の足元には、黄金の光線で描かれた円形の術陣が描かれていた。そこから立ち昇っていたのが、その金粉の光のようだ。
え?!私……気付かない間に、術陣の上に立たされていた?!
そう認識すると、その術陣は一気に黄金の光をカッと放つ。まるで、私に気付いてもらうのを待っていたかのように。
光に目が眩んで怯んだ隙に、視界は黄金の光で埋め尽くされる。
剣軌たちの姿が見えなくなってしまった。
何だ、何だ?!一体何が?……まさか私、潜んでいた敵に術をかけられ……!
《……ねえ…》
潜んでいた襲撃に軽く慌てたその時。
光の中から、少女の声が聞こえた。
高くて、綺麗な。囀る小鳥のような美しい声が。
そして、その声はもう一度私の耳に入るのだった。
《……ねえ、待ってたよ?》



