俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


何故だかはわからないけど。でもそれはまるで、絶望で戦意を失った私を鼓舞するかのように。



(伶士……)



……信じてるって言ってくれたのに、ごめん。

どうにかしたいと色々模索してみたけど、ホントにどうしていいかわからない。

わからないよ。



(どうしよう、親父っ……)



窮地の時にいつも思うのは、絶対的な存在の師匠である父。

……親父なら、こんな時どうする?



《なずな、love you……》



小さな頃からいつも掛けてくれた、親愛の囁きが今も耳に焼き付いている。

その一言は、いつだって私に喜びと立ち上がる力を与えてくれていた。

でも、今は……。



《……love you、なずな》



違和感に気付いて、ハッと顔を上げた。

辺りをキョロキョロ見回してみるも、パッと見てさほど変化はない。



(……親父?)



今のは何?

今、確かに……最後の一言は、回想ではなく。

耳にしっかりと残る、はっきりとした肉声だったような気がする。



だが、変化が起きていたのは周辺ではなかった。



「はっ……」