何で、意識しなかったんだろう。何で気付かなかった?!
布団に潜り込み、添い寝までしていたのに。
何で、その続きが無かったんだ…!
おままごとをやっていたというのか、俺は!
心の中で嘆息し、リビングのソファーにて一人、頭を抱える。
状況が状況だったけど、自分がこんなにヘタレだとは思わなかった…!
…けど、現在のなずなは右肩上がりに回復中。
いやいや。回復してようがしてなかろうが、激ヤセだろうが、一度意識がそっちに向いてしまったら、もう止めようがない。
先程から、なずなを見る目がスケベヤローになってしまっている。
「お風呂気持ちかったー」
ヤツの登場に、心臓がドクリと動く。
風呂から上がり、キッチン一直線で冷蔵庫を開けているその姿を、そのスケベヤローの視線で見つめる。
「……なずな」
「あ?何?」
てなわけで。
今宵、俺は夜這いを決行しようと思う。
「…今日は俺の部屋でテレビ見よう」
「は?おまえの部屋?……まさか、あのデカいテレビでペンギン見せるつもりじゃねえだろな」
「まあまあ」



