俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


夜、両親が不在で寂しくて、剣軌に縋るように傍にいたことなど。



《daddyは?momは?どこ?……どこ?ううぅぅ…》

《なーには俺がいるよ。泣かないで一緒に寝よう》



思い出されるにつれて、目頭がどんどん熱くなっていく。



(嫌だ……)



……起こってしまったことは仕方がない。過ぎ去った日々はもう戻ってこない。

でも、少しでも失いたくないと思うのは、私のワガママなんだろうか。



《なずな、love you……》



嫌だ、行かないで。

みんな、置いていかないで。



……もう届かないとわかっているのに、涙でぼやけて視界を通してでも剣軌に念じずにはいられない。

右腕のみは完全に魔族化し、黒塗りの鱗だらけの肌になっている。



どうしよう、このままじゃ……!

何か、何か手は無いだろうか?

この際、リグ・ヴェーダなんてホントどうでもいい。

剣軌の魔族化を阻止するには……!



《明日何がどうなるかなんてわからないよ。こんな状況だ》



……その時、愛しい護りたい人に掛けられた一言が、突然私の頭に流れ込んできた。