俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


……このままでは、剣軌は完全に魔族と化し、目の前の仇を無惨にも殺してしまう。

そして、魔族となった剣軌は……殲滅対象となり、私たちの手で滅殺しなくてはならなくなる。



(い、いや、ま、待て……)



そんなこと、私に出来るわけがない。剣軌は兄弟子であり……家族。

でも、私がやらなくても、別の誰かがやる。総本山から派遣された別の陰陽師、もしくは他派の術師や……あるいは神童が、魔族となった剣軌を処分しに来るのであろう。



剣軌が、居なくなる。もう、この世界の何処にも。



私の前から、また。

家族が一人、いなくなる……。



(ま、待って……)



ママも国へ帰り、親父も目が覚めることはもうない。

そして、剣軌までも……。



みんな、みんな私の前から居なくなっていく。

私は、とうとう一人だ。



(……)



目の前の光景を茫然と見守る中、頭の中には今までの思い出が動画の早送りのように駆け巡る。

親父とママと剣軌、四人で過ごした幼き日々のこと。



《なずな、love you》

《dad!me,too!》