そこまでの想像力がなく、新発見に対して思わずポロリと一言出る。
だが、それを聞きつけた親父が、クワッと顔を顰めた。
『伶士、おまえはダメだぞ!絶対にダメだ!なずなに手を出そうなんざ…!』
『社長…二人は恋仲デスヨ?そんなのダメと言って止められるモンじゃないデスヨ』
『うるさいぃぃっ!なずなは優の娘だぞ!俺の娘みたいなもんでもある!結婚式となれば優の代わりにバージンロードだって……!』
『イヤイヤ、伶士クンが社長の実の息子でしょ。何だかとてもややこやしくなってきマシタ』
『……ともかく!伶士、今の話は参考にするなよ?この家の中で、営もうとするなんざ絶対許さんっ!』
『……』
いやいや。もう遅いし。
それに、ここぞとばかりに父親ヅラするんじゃない。
俺的には、おじさんと神威さんがそんな関係だったことに密かにビックリしたけど。
……しかし。
(……)
なずなの深傷、激ヤセという状況が状況だっただけに、深く考えていなかった。
この話を耳にして、そういえば…と、気付かされたようなもんだ。
愛しい彼女と、ひとつ屋根の下、同居中。
これ、とっても美味しいシチュエーションだった…!



