しかも、その黒い羽根を表に出しているせいか、室内に漂う魔力量が多くて、不快感が倍増しているのに。
けど、このクソヤロー。前に会った時より遥かに魔力の圧が強くなっている。……何でだ?
目ん玉剥き出して不気味に笑うヤツを視界に据える。何がわかるわけでもないけど……こう、違和感がある。杞憂だといいのだけど。
……こいつ、一体何を企んでいる?
「……おや、どうしたお嬢さん?僕のこと、そんなに見ちゃって」
ハッと我に返る。
訝しい視線を送っていたことに気付かれた。
ヤツは私に目を向けても「クックッ…」と、笑い続けている。
私が特に返答もしてないのに、勝手に一人で喋り出した。
「君もさぞかし憎しみの目で僕を見てくれるんだろうね?……あははっ!」
「……」
こいつ、何が嬉しいの?
まるで、憎しみの感情を私達に期待している。変態なのか?不気味ではあるけど。
「……まさか、憐れみの瞳じゃないよね?」
「は……」
不気味な笑みが固定されたまま、問いかけられると、戸惑ってしまう。
言ってることの意味がわからなくて。



