俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


私と剣軌は運命共同体みたいなものだ。

父であり、師匠である親父から教えを受けて、陰陽師を志した。

……そして、リグ・ヴェーダへの復讐自体も、私と共にそれを成し遂げることも、当然のことだと剣軌は思っている。

そんな兄に、押し切られるような連れ回されるようなカタチで、この復讐、今日に至ったことに気付いたのは、昨日伶士と話をして冷静になって考えた時だった。



けど……決断の余地を与えられなかった。

納得した決断も出来ないまま、私は剣軌に着いていかねばならない……。



(伶士、ごめん……)



この戦場から戻ってきた、その時。

私は今までと変わらず、伶士の隣にいられるだろうか。



でも、ここまで来たらもうしょうがない。

伶士のことも大切に想ってるけど、剣軌だって私の大切な家族。……今すぐ簡単にどちらかを選べるものではない。

けど、時間は欲しかった。

そんな後悔の念は胸の奥に閉じ込めて、腹を括る思いで自分の心の臓がある部分をドンと叩く。

私の何かを堪えているともとれる様子を、剣軌に見られていたようだ。



「ビビってんの?」

「……いや」