私と剣軌は運命共同体みたいなものだ。
父であり、師匠である親父から教えを受けて、陰陽師を志した。
……そして、リグ・ヴェーダへの復讐自体も、私と共にそれを成し遂げることも、当然のことだと剣軌は思っている。
そんな兄に、押し切られるような連れ回されるようなカタチで、この復讐、今日に至ったことに気付いたのは、昨日伶士と話をして冷静になって考えた時だった。
けど……決断の余地を与えられなかった。
納得した決断も出来ないまま、私は剣軌に着いていかねばならない……。
(伶士、ごめん……)
この戦場から戻ってきた、その時。
私は今までと変わらず、伶士の隣にいられるだろうか。
でも、ここまで来たらもうしょうがない。
伶士のことも大切に想ってるけど、剣軌だって私の大切な家族。……今すぐ簡単にどちらかを選べるものではない。
けど、時間は欲しかった。
そんな後悔の念は胸の奥に閉じ込めて、腹を括る思いで自分の心の臓がある部分をドンと叩く。
私の何かを堪えているともとれる様子を、剣軌に見られていたようだ。
「ビビってんの?」
「……いや」



