俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


親父が死ぬのに、あのクソヤローを生かしておいても、私らはこの先真っ当に生きていけるのだろうか?

……実の兄、叔父を殺されたゆずらさんと美奈人は、仇があんな状態でも生きているのをどう感じているんだ?

納得出来ているのか?どうなんだ?



(わからない……)



でも、それでも私は。

明日もその次の日も。

伶士と今まで通り、過ごしたい……。





「着いたぞ」



車が停止したところとは……古びれた平家だった。一軒家サイズなのだが、デザイン的には住宅ではない。商業向けの造りで、レストランかなんかだろうか。もう手入れもされておらず、外壁はボロボロだ。

一本向こうの道路は、サブロク。はたまた別の方向を見ると、建物の隙間から豊平川が見える。

ここは、すすきのの中心部から少し離れた、すすきのの隅っこの地域、豊水すすきの地区だ。

高層マンションが所々に立つも、まだ開発途中の区域。古びれた一軒家がその間にちらほらと並んでいる。



「ここは……」

「かつてはライブハウスだったらしい。持ち主が国外に出ていて、現在はただの廃墟となっている」