翌朝、親父が様子を見に、恐る恐るとおじさんの部屋を訪問するが、当の本人は布団の中で泥のように眠っていたらしい。
見てくれは劇的に激ヤセのまま。
こんなんじゃ、学校は無理だな。
しょうがない。置いて行こう。
そんなわけで、おじさんは欠席。親父は一人で学校に行ったという。
…当時の執事、秀晴に世話を頼んで。
そして、親父が家を出てしばらくしてから、おじさんは覚醒し、ひょっこりと部屋から出て来たという。
劇的に激ヤセ姿のまま。
『す、優さん、あぁ痛ましい…どうしましたか?士朗おぼっちゃまは学校に行かれましたが…』
『秀晴さん、頼みあるんですが…』
『頼み?…ですか?』
おじさんが秀晴に頼み込んだこととは、こうだ。
『今から俺にお客さんが来るんで、来たら部屋に通して下さい』
はぁ…お見舞い?その姿で大丈夫?
秀晴は首を傾げたが『わかりました』と了解して、おじさんを部屋まで見送った。
だが、その一時間後。本当に橘家にお客さんが来たのである。
『すいませぇーん?優のお見舞いに来たんですけどぉー?』



