だが、出てきたブツにもビックリさせられる。
え……試験管?
しかも、中には赤黒い液体が詰められている。コルクの栓までしてあって。
だが、それを目にした途端、突然として異様な不快感に巻き込まれた。
「うっ……!」
無意識に、右手で鼻と口を覆って顔を背けてしまう。
そこから発する異様な空気に、刺激臭を感じた上に吐き気を催してしまった。
な、何だこれ…!
「あ、すみませんデシタ。伶士クンは霊力量が多いんでしたネ。コレの障気に当たってしまいマシタか」
「わわわ!ご、ごめん!」
「たくろークン、霊符霊符」
慌てた綾小路さんは、片手でスーツのポケットに再び手を入れる。
出てきたのは、あの陰陽師グッズ、毛筆で変な文字や漢字が書かれた白い紙、霊符だった。
それで試験管のコルクの部分を覆って持ち直している。
すると不思議なもので、あの不快感がスッと弱くなった。
「そ、それは……」
「あああぁぁぁっ!何持ってきちゃってんのそれ!返して!返してぇぇぇ!現在の僕の家宝級に大切にしてるモノだよぉぉぉ!結界に入れておいたのにぃぃ!」



