俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


「は……」



俺の口から出た重要な一言に反応したのか、なずなは何かを言い掛けて固まった。

沈黙の最中、顔色を伺うも、口を開けたままの申し訳ないが間抜けな表情だ。



俺が、こんなことを言ってくるとは、思わなかったか?



しばらく沈黙が続いて。

金縛りが解けたかのように、ようやく話の続きを始める。



「……まさか。玲於奈や拓狼さんから」

「……」



無言で頷くが、なずなも「ふーん…」と頷き返すのみだった。

不自然に何度も頷いている。勝手に一人で察しているかのように。

何を考えてるかは……わからない。



「……」

「……」



そして再び、二人の間に沈黙が訪れた。

ただ何も話さず、目の前で打ち上がる花火をひたすらじっと見つめる。

ドン!ドン!と、花火の打ち上がる音だけが、ただただ響いていた。



このまま沈黙が続いても、別に嫌な時間というわけではないのだけど。

話が進まないのと、気持ちが伝わらないのは、困る。



「……俺は、別にいいんだ」



俯いて黙っていたなずなの顔を覗き込んで、そう告げる。