残るのは『成し得なかった』という後悔だけで。
そんな感情は、心の平穏を壊し……俺と出会い、仲間に支えられてきた、幸せに過ごしてきた日々ですら、嘘へと変えられてしまうんじゃないのか?
俺はなずなにそんな思いをして欲しくはない。
けど、殺しを肯定するわけでも、なずなの憎悪を否定するわけでもない。
俺は、なずながどんな行動に出ようが、何をしようが、ただそれを大いに受け入れるしか出来ないのだ。
なずなの思いを尊重するには、丸投げと言われようが、こうするしかなかった。
「……俺は、信じてるよ。おまえのこと」
「……へっ?」
ついつい思いが溢れて、口に出てしまった。
突然のフリに、なずなはビックリして変な声を出している。
急に変な事を言い出した俺を疑惑の視線で凝視する、そのキョトンとした顔に、打ち上がった花火の光が反射している。
「……信じているんだ。なずなのこと。どんな決断をしても、何しても」
「な、何の話……」
「今の俺にはなずなを信じることしか出来ない。……例え、あの彼を憎んで復讐するつもりでいても」



