俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


そう呟いて、あわあわとしながら、俺と傍にいる蓑島さんの顔を交互に見ている。

まさに、泡食ってるという様子だ。

すると、蓑島さんがなずなの耳元に顔を近付け、何かを囁いている。

そんなに顔を近付けるな。と、ムッとしていると、なずなが急に「何っ!」と声をあげ、目の前の俺に驚愕の表情を見せたのち、ガクッと俯いた。

何を言われたんだろう。



そんな様子はいいとして。

ショーを進行させねばならない。



本来の教会式と同じく、父に連れられてバージンロードを歩いて新郎の元にやってきた花嫁を、譲り受ける。

その前に、一礼……。

五島さんから教えてもらった手順通り、俺はペコリと頭を下げる。

ここで、蓑島さんも一緒に頭を下げて、花嫁の手を取る。



……の、だが。



「……やらん!娘はおまえには、やらぁぁんっ!」



え?



台本通りではない、予期せぬアドリブが降りかかってきて、ザワッと焦る。

不思議に思って頭を上げると、そこには目玉をひん剥いて鼻の穴を広げて怒り顔の蓑島さんの顔があった。

そして、ドンと肩をどつかれる。

……え?え?何?