俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


その時、隣にいる五島さんに背中をポンと軽く叩かれる。



「さあ、来るよ?……花嫁が」



その一言を耳にした途端、ランウェイを照らす照明の色がパッと変わった。

暗めの紫から、柔らかみのある白へ。

同時に、教会式お馴染みのあの曲が流れる。

とは言っても、パイプオルガンの音色が響くスローな曲ではなく、リミックスされたアップテンポになっていたが。



そして、奥のステージがライトアップされた。



柔らかい光の中には、いる。



黒いタキシード姿の蓑島さんにエスコートされて登場した、花嫁が。

護衛?恋人?……そんな関係の呼び方はどうでもいい。

何にも代え難い、唯一無二のその人が。



(あぁ…)



瞬きを忘れて目が乾きそうになるくらい、見開いたこの目に、その姿を据える。

盛り上がり過ぎる周りの歓声と拍手なんて気にも留めずに、その姿を目にして様々な思いが込み上げる。

トルソーに着せていた完成品を見た時より、こうして実際に着用した姿を目にした今の方が、断然数倍以上の感激を覚えた。



あぁ…いつから、おまえのことをこんなに大切に想うようになったのだろうか。