俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜




ーーー『永遠』なんて、無いのかもしれないけれど。

一緒にいるその時だけでもせめて、感じていたい。







「橘くん、こっちこっち!」

「暗いから足元気をつけてね?……すみません、通して下さーい!」



ショーが終盤を迎える頃、安村さんの誘導で会場となっている体育館へ、こっそりと移動を始める。

……本当に秘密裏なのか、姿を隠すために黒い布を頭の上から被りながら。

傍から見たら、でっかい黒い布の塊が動いていて、不審以外何物でもないだろう…。

会場でデザイアと合流して、女子二人がランウェイの周りに集まった人混みを掻き分けて、俺が登場する予定の地点、ランウェイの突き当たりであるセンターサークルまで誘導してくれていた。



(おぉ…)



ランウェイは俺の頭の高さより高く、見上げるカタチとなる。

今年はセンターサークルの端に電飾をあしらっていて、光輝く花道だ。ホント、やる事プロ並みに本格的だよ。

センターサークルに繋がる階段の傍に身を潜め、被った大判の黒い布の隙間から、チラッと目を覗かせて見上げていた。