写真は川村にお願いした。なずなには内密で、この事情を話して。
すると『そゆのは写真部に頼めぃ。わっちは動画撮っちゃる。うひひ…』と、ノリノリだった。
写真部にももちろんお願いして。うしし…。
いろいろ楽しみで仕方がない。
「なっ、何ニヤニヤしてんだよきもい。まだお互い仕事中だろ?……行くぞ」
「あ、俺もう終わる時間だけど。そっちもだろ」
「……」
後ろめたさなどいろいろ思うところがあるのか、ヤツは俺の問いには答えず、ずんずんと先を歩く。
おいおい。……彼氏にきもい言ったな?このやろ。
そんな事を思いながらも、先日蓑島さんが口にした発言が脳裏を掠める。
『ここまで愛されているってこと、なずなは身を持って知った方がいいと思うけどね』
こんなセリフ、よくもまあ恥ずかしげもなく言えるな?さすがイケメン。こっちが照れる。
しかし、その発言の意味を捉えると、立ち止まってしまう。
(愛、ねぇ…)
……俺のあの時の行動は、単なる独占欲からくる暴挙だったと思うんだけど。
しかし、それを愛だと、その行動が愛の証だというのは。
なんだか、しっくりこないような…。



