俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜




「まさか、魔族さんたちのお口に子羊が合うとは思ってもみなかったなぁー。そして、人を喰らわずで生きていけるということも実証したし?」

「そこはまだ未知の領域ですよ。人を喰らわず人間と同じ食事で生命維持できる魔族は、耶雲や聖魔たちだけかもしれないし。まだまだ弓削先生の出番、ありますよ?」

「でも、剣軌くん。大丈夫かな?魔界に出入りしてること、お館様にバレちゃったりしない?」



魔界への出入りは、陰陽師総本山では禁忌となっている。

そんな命知らずなことをやってのけた例は今までに聞いた事はないが……禁忌を犯すという事は、相応の罰が用意されている。

もし、発覚したら、陰陽師としての力を剥奪か、もしくは…存在そのものを処分されるか。



「……いえ。お目当てのものは頂いてきたので、当分は大人しくしてようかと」

「え?本当にもらっちゃったの?冥王から?」



二人の視線は、傍に置いてある小型のクーラーボックスだった。

今回、魔界に行く時に持ち込んだもので、お目当てのものを中に詰めて持って帰ってきた。