また、誰か登場した。
首の後ろに腕を回されて、肩を組んでいる状態となっており、顔をぐっと引き寄せられる。
「タッチー、怒ってるってホント?」
そう言いながら、横からひゅっと出てきた顔は、同性から見ても麗しい男前の顔だった。
そして、この件の関係者とも言うべき人物。
「み、蓑島さんっ」
「全部聞いたよー!五島ちゃんのことあまり怒らないでやってよ?せづもビックリしてるよ?」
「蓑島くん!突然入ってこないでよ、もう!」
「まあまあ」
何?この仲裁に入ってきたかんじ。神出鬼没か。
よりによって、蓑島さん…!
怒らないでやってって、いや、怒るでしょうよ。
元はと言えば実際のところ、なずなの相手役にこの蓑島さん、っていうのがカチーンときたポイントでもある。
よりによって、なずなと仲良くしてるあのイケメン、ミスター蓑島さんかよ…!って。
二人で仲良くジビエ料理の写真を見ていたあの光景を思い出すと、今でもムカっ腹が立ってくる。
恥ずかしながら、嫉妬だ。
少し離れたところに五島さんが立っていて、あわあわとしながらこっちの様子を伺っている。



