「……怒るに決まってるじゃないですか!こんな理不尽なことないですよ!」
ここ一番で怒りを剥き出しにすると、五島さんは「ひっ!」と体を震わせている。
そんなに恐ろしいですか。
だが、申し訳なく思ってやる必要はない。人の知らないところで、あまりにも理不尽すぎる。
「サッカー部はインターハイあるから、参加要請しないでくれって……誰の差し金ですか!」
よりによって、こんなにタイミング良く。
何故そんな要らない手回ししようとするのか…!
上の者…!
「いや、その」
「野球部はいいけど、サッカー部はダメって何すか?…野球部だって南北海道大会あるでしょう!なんすかその基準、なんすかその差別!誰の差し金だ!」
「そ、それは、あなた達のマネージャーよ」
「……」
「れ、例年のしきたりなんだって…」
「……」
マネージャー?
俺たちのマネージャー。
いつもお世話してくれる、支えてくれる有難いマネージャー。
感謝してますよ、もう。
……だが、しかし!それとこれとは話が別だろう!
例年のしきたりとは、何だ!



