俺のちょっと理不尽な発言に、五島さんはギョッとしている。
一方、俺はイラっときて眉を顰めた。
まあ。まあまあ、全っ然良くないけど、それは良いとして。
何で新郎役は俺ではなく、よりによって蓑島さん?
普通、その話、俺に来ません?
それとも、俺じゃその役には力不足ですか?
自分で言うのもなんですが、そんなに見られない顔ではないし、背もあるしそれなりに……もごもご。
「あー。その話……ひょっとして、やりたかったとか?」
やりたいやりたくないじゃなくて、彼氏の矜持ってもんがあるでしょうが。
やりたくなくても、やらねばいけない時もあるんですよ。
あんた、俺に足向けて寝てるでしょ。……とは、言いませんけど。ごほん。
「結局はやりたいのね…橘くん、素直ねー。ま、まさか、ヤンデレ…!ますます足向けて寝られないっ!」
「そんなのはどうでもいいですよ。で、何で俺じゃなく蓑島さんなんですか」
「い、いやぁ…私だって、橘くんが引き受けてくれるなら、是非!って思ったよ?でも、ショーの出演者に関しては上の者からのちょっとしたご要請があって…」
「は?」
その上の者からの御要請とやらの内容を聞く。
「……あぁっ?!んだと!」
「ち、ちょっと。そんなに怒る?」



