俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


「そういえば橘くん、なずぽよのモデルの件、説得してくれたんだってね。五島部長が感謝してたよ?足向けて寝られないって」

安村さんは、クスクスと笑っている。五島さんのあの様子でも思い出し笑いしたんだろうか。

安村さんは、家政サークルの部員。五島さんからの伝言を俺に伝えに来たのも彼女だった。



「ショーの準備はどう?順調なの?あいつ、みんな困らせてない?」



なずなから経過の報告を聞けないので、安村さんに何となく伺ってみる。

なずなが、文句ぶーたれたり、何かワガママやらかしてないかと心配もしながら。



……だが、何気に聞いたこの質問が、俺を暴動の輩、フーリガンへと変貌させるとは。



「うん、全然助かってるよ?むしろ困らせてるのは部長かな。部長、なずぽよが引き受けてくれた喜びで調子に乗っちゃって」

「へぇ」

「ちょっと予定変更しちゃって……ね?」

「予定変更?」

首を傾げる。ショーの予定変更なんて、何?

まさか、あのドレスじゃないものを着るとか?

えー。あれを楽しみにしてたのに。



「橘くん、聞いてない?」

「き、聞いてないよ?え、何?」

「それは……」