人が大好きな、音宮のおじさん。
なら、大好きな人たちが映ってるこの写真も嬉しいはず。
眠り続けるおじさんを見守る、愛の証。
…実際、こんな数枚じゃ語れないんだろうな。おじさん、顔広そうだし。
そして、時は経つから数も増える……はず、だったのに。
おじさんの時間は停まってしまった。
おじさんの笑顔の写真も、思い出も。これ以上増えないなんて、なんか寂しい。
思い出…。
(……はっ!)
「な、なずな。なずな!」
「あ?何だ」
俺は、ここで。
突如、閃いてしまった。
おじさんへの愛の証を、増やす方法を。
「なずな、写真。写真増やそ」
「は?写真?これ以上増えると看護師さんに迷惑が…」
「あぁっ!いいんだよ、そんなの!」
「ど、どうした。いきなり…」
俺も、おじさんが寂しくならないための何かをしたいと思っての閃いた案だった。
だって、いつどんな展開に出会うかわからない。
「おまえのウェディングドレス姿の写真、ここに飾るんだよ!」
「は…」
鼻息を荒くして、発表するが。
目の前のヤツは口をポカーンと開けていた。



