「おおぉぉ。これ、おじさんとおまえの写真?」
枠に収められている写真は、おじさんと幼女。
サラサラロングヘアの少女を、若かりし頃のおじさんが抱っこしている。二人とも笑顔の写真。
少女はなずな。堀が深くて、日本人の顔ではない。…俺の記憶の中のリラだ。
こうして見ると、リラ=なずなだということを改めて実感する。
だが、写真はひとつではない。
いくつものフォトフレームが並んでいるその様子は、もう個人ギャラリーのようだ。
覗き込んでみると、他には制服姿の菩提さんと三人で撮ったかしこまった記念写真や。
親父や柊斗さんとのスリーショット。……若い。
あの白塗りパパ…ごほん、ママやあのヤクザの木嶋さんらしき人、他にも知らない顔の人たち大勢との集合写真。ここにも親父と柊斗さんいる。
飲み会の写真、キャンプの写真……その数はいくつもあって。
どの写真も、おじさんは愛溢れた笑顔だった。
「これね、しゃちょーが持ってきたんだ」
「親父が?」
「うん。うちの親父、大勢でいるの好きだからって、病室で一人でいる時も寂しくないように、ってさ」
「へぇ…」



