「おいおい。おっさんの寝顔そんなに見つめて、なんか楽しいか?」
「……」
なずなに突っ込まれてしまった。
確かに。俺の胸中を知る由もなかったら、そういうことになるね…。
恥ずかしさ誤魔化すために、気を取り直して咳払いをしてみた。
「今日は顔色いい方かなー…」
と、なずなが言いかけたその時、ガシャンと物音がした。
同時になずなが「わっ」と声を上げて後方に振り返る。
腕に何かが当たってひっくり返してしまったようだ。こっちに背を向けて慌てて手を伸ばしている。
その様子を覗き込んでみる。
「何それ。写真?」
「あ、うん」
なずなが手にしているのは、フォトフレームだ。中には写真も入っている。
その奥をよく見ると、他にいくつものフォトフレームが並んでいて、興味を引いた。
「え、写真?見せて見せて」
そっちへ赴き、なずなの手からフォトフレームを受け取る。
「たいしたもんじゃねえぞ?」と、なぜか照れ臭そうにしてるけど。



