ふと、斜め前から視線を感じる。

まさか

おそるおそる、視線の先を見てみると、

そこには嬉しそうな顔をしたアイツがいた。

(はぁ〜、もう最悪!貴重なフワリタイム邪魔されるとか!)

1時間目が始まっても、終わっても

アイツは私の方を向いている。

いや、向いているって言うのは自意識過剰

かもしれない。うん、絶対そうだ。

私なんか見てるわけないじゃん。

1時間目が終わった10分休み、

2時間目の移動教室を希空に行こうと

誘いに行こうと立ち上がると、

目の前に壁が立ち塞がる。

「みーおちゃんっ」

どうしよう、すっごく無視したい。

「え、無視?悲しすぎなんだけど」

待って大きい声で言うなよ。

女子が見てるじゃんか。

「…何」

うん、我ながらすっごくぶっきらぼうで

可愛げのない返事だった。