キッパリそう言うと、

男の人の目付きが変わった。

「あぁん?俺たちを誰か知っての物言いか?」

初対面なのに何であたしが

あなたたちのこと知ってるの?

「生意気な顔しやがって…!」

男は腕を高々と振り上げ、

あたしに1発入れようとする。

(やられるっ!)

そう思って固く目を瞑ったが、その拳が

あたしに落ちてくることは無かった。

(…え?)

恐る恐る目を開けてみると、

そこには1人の男の人。

眼鏡をかけた男の人が、

男の人の拳を止めた。