「ははっ」

何が可笑しいのか、久遠は突然笑い始める。

「な、何!?今笑うところじゃないじゃん!」

「いや、ごめんね。俺が女嫌いって言ったら、美緒が本気で悲しそうにするからさ。」

悲しそう?

そんなの…当たり前じゃん。

「ねぇ、じゃあ何で、入学式のときに声をかけてくれたの?」

「あぁ、あれ?実は俺の親が、後継ぎを残したいから結婚したい人を探しなさいって怒鳴ってさ。」

「怒鳴る?」

後継ぎの為に、そこまでするものだろうか。