は?



「俺ーー」







意味が分からないーー。


君を掴もうとした手は、君を掴めなかった。




「ーーごめんね、幻で。
ごめんね、長く一緒にいてあげられなくて。
私に、名前は無いーー。
青が作った幻想の"1つ"だから」







あ。




思い返せば不思議なことだった。


突然目の前に現れて



名前も知らない彼女が




期間限定の恋人になれ、と言ってきた。



「ーーごめんね、幻で。
青ともう1日過ごしたかったな」



幻が、消えるーーーー?



君と出会ったのは、
数ある人生の中で、ほんの僅かな時間。





「ーーまだ、願いは叶ってない!
まだ、3日目を過ごしてない!!」



きっとーー俺が気づいてしまったら終わりだったんだ。


幻が消えて、自分はただ本当に"死んでしまう"ーーーー。