「ーー俺達、付き合ってるんじゃないのかよ」



なんだか、寂しくなった。
虚しくもなった。

形だけの恋人ごっこ。

微妙な温度差ーー。


本当に、よく分からない俺の彼女。







「ーー君が幽霊だから?」







言わないつもりでいた言葉。


スっ、と出てしまった言葉。


モール内の雑音は、
かき消された。





賑やかな場所がーーほんの一瞬だけ静かになる。




「どうする?
私が幻ならっ」






幻ーーーー。



君が幻になるなら、、
俺は等に幻の1つに過ぎない。




「幻ならいい夢を見たよ。
ゴールデンウィークに、彼女が出来た。
彼女と、新しく出来たここに来れた。
それで十分だよ。
ありがとな」






確かなことだった。




彼女には感謝している。



名前も知らないーーーー
誰かも分からない彼女だけど、
何故か、暖かい気持ちに慣れた。





ふと気づくと涙で視界がぼやけた。






ふと気づくと暖かい温もりに気づいた。






だけどふと気づくとーーーー






透明な身体の俺がいた。