一日目の彼女との恋人ごっこ。
海を見に行った。

悪くないと思った。

気持ちが穏やかになって行く。
サラサラした潮風。

眩しい太陽。



隣の彼女は笑っていた。

「よかったね、青。
青はずっとこうして居たかったんだよね」





不思議なことを言う彼女に、首を傾げた。


「ねえ、いい加減名前ぐらい教えてくれてもいくない?

なんて呼んでいいか、分からないんだよ」



俺は頭をかいた。




仮に3日間だけの彼女でも、名前が無いと呼びにくい。



「んーだよね。
だけど、名前ないから。
青が付けてっ」


そんな感じに、誤魔化されて。

それで終わり。

虚しいーーーー。


一日目は、そんな感じにデートは終わって。

帰り道。


ひしゃげた電柱の前の、白い花。


事故か?
いつ?


最近この近くで事故なんかーーあったかな?
毎日通って図書館で、勉強して大学生になるための勉強に励んだ。
あの日が懐かしーーーー。

懐かしい?


なんで、懐かしいなんて思っただろうか。