「ーー花」


君に名前をあげた。
幾分、話しやすくなった。

「夜を初めて見た。
いつも、夕方にバイバイしてーー気づいたら朝を迎えてた。
今日はこんな綺麗な月の下で、青と3日目の夜を過ごせてる。
嬉しいんだ」



深夜は2日目の夜なのか、0時を過ぎたら3日目とかそんな頭の硬いことを考えたが、今はどうでもいい。



花を見つけてーー初めての夜を迎えられたのだから。



「ーーだけど今日、私はきっと消える。あなたの幻の1つに過ぎないから。
だけど、大好きなんだよ」


消えたくないーーーー。
そう、聞こえた。