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名前の無い君。


名前すらつけてあげれなかった不甲斐ない俺。


あの日ーーーーーー。



海で過ごした最悪な1日に戻りたい。




戻りたいーーーー。







23時45分。








気づくと海にいた。


真っ暗な海。
照らすのは、そこにある満月の光だけだった。



なんで、海なんかーーーー。




砂浜に1人。





知ってるあの背中。




知ってるあの後ろ姿。




俺は少しずつ歩み寄った。





速度が少しずつ上がったのは、早く君に逢いたかったからーー。









「ーーーー花!!
君の名前は、花。
俺が付けた名前だからなっ」



驚いた様に君が振り向いた。




目を見張った君が笑った。






「何それ。いきなり、名前なんかーー付けてっ、なんで、急に逢いに来て私が逢いに行こうとしたのに。」





少し泣いてる君の声。