「あなたたちは？」


代わりに１人がそう声をかけてきてくれた。


それが複数形になっていることに気がついて怜美は猫田さんへ視線を向ける。


「はじめまして、私は猫田と申します。こちらは福永怜美さんです」


猫田さんが自己紹介をしてくれて、ようやく「はじめまして」とだけ言うことができた。


「猫田さんと福永さん？　それで、こっちは……？」


鈴木くんへと視線を向ける。


やっぱり、３人とも姿を見ることができているようだ。


「僕だよ僕！　お前もしかして幸太郎か！？」


鈴木くんが怜美に声をかけてきた男性を見て歓声をあげる。


「どうして俺の名前を――」


怪訝そうな表情を浮かべた幸太郎もすぐにその小学生が誰であるのかわかったようで、驚愕の表情を浮かべた。


「まさか、浩一兄ちゃん？」


「あぁ、そうだよ！　なんだよお前ら、僕がいなくてもこんなに大きくなって！」


浩一の目に涙が光、他の２人の兄弟もやっと理解したように目を見開いて驚いている。


「本当だ。死んだときの姿のままだ」


「そりゃそうだよ。あの日から時間は止まっているからな」


そう言ってなんでもないことみたいに笑っている。


６年も会っていないのに、家族の絆ってすごいな。