☆☆☆

2人で校舎裏へ駆けつけたとき、すでに二宮金次郎像がそこで待っていた。


手にはスマホ背中にはリュック。


猫田さんが言っていた通り、近代的な格好をしている。


「来てた……」


猫田さんは驚いた表情で呟く。


怜美は少しだけ得意な気分になって、二宮金次郎こと鈴木浩一に近づいた。


浩一は気配に気がついてスマホから顔をあげた。


「僕を呼び出したのは君?」


「そうです。福永怜美って言います」


一応年上だし、怜美は丁寧に頭を下げて挨拶をした。


「僕は忙しいんだ。勉強をして、家のこともしなきゃいけない」


「そうみたいですね」


だけどもうその必要はない。


だってあなたは死んだんだから。


そう思っても、どう言えばいいかわからなかった。


困って立ち尽くしていると猫田さんが前へ出た。