怜美にとっては気まずい沈黙だったが、猫田さんの方は気にしている様子もなくおだやかな表情で花を見つめている。
「あ、あの」
「はい」
「その、脱走した人のひとりってもしかして、二宮金次郎だったりしませんか?」
突然の質問に猫田さんはアーモンド形の目をまぁるく見開いて「よく知っていますね。もしかして、見かけましたか?」と、聞いてきた。
怜美は大きく何度もうなづいた。
「今朝、ここで見た気がします。それに、友達の間でもここに二宮金次郎の像がいるって、噂になっているみたいです。たぶん、霊感の強い子が見たんだと思います」
怜美は一気に説明して大きく息を吐き出した。
「そうですか。実は僕も何度も二宮金次郎くんを捕まえようとしているんですけどね、彼とてもすばしっこいでしょう? なかなか捕まえることができなくて、困っているんです」
猫田さんはそう言って頭をかいた。
そうだったんだ。
猫田さんも苦戦しているとわかって少しホッとした。
まだ捕まえることはできていないのであれば、怜美が手伝うこともできるから。
「あ、あの」
「はい」
「その、脱走した人のひとりってもしかして、二宮金次郎だったりしませんか?」
突然の質問に猫田さんはアーモンド形の目をまぁるく見開いて「よく知っていますね。もしかして、見かけましたか?」と、聞いてきた。
怜美は大きく何度もうなづいた。
「今朝、ここで見た気がします。それに、友達の間でもここに二宮金次郎の像がいるって、噂になっているみたいです。たぶん、霊感の強い子が見たんだと思います」
怜美は一気に説明して大きく息を吐き出した。
「そうですか。実は僕も何度も二宮金次郎くんを捕まえようとしているんですけどね、彼とてもすばしっこいでしょう? なかなか捕まえることができなくて、困っているんです」
猫田さんはそう言って頭をかいた。
そうだったんだ。
猫田さんも苦戦しているとわかって少しホッとした。
まだ捕まえることはできていないのであれば、怜美が手伝うこともできるから。



