学校の怪談

☆☆☆

昼休憩になると怜美は給食を食べてすぐに校舎裏へと走った。


グラウンドからはすでに生徒たちの騒ぎ声が聞こえてきている。


それを尻目にかけつけると、そこには背の高い整った顔の男性が立っていた。


「猫田さん!」


怜美が名前を呼ぶとその人は顔を上げて、そして優しく微笑んだ。


その笑顔にホッとして怜美は近づいていく。


「怜美さん、こんな時間に会うなんて珍しいですね」


「そ、そうですね」


怜美は返事をしながらどう切り出そうかと考えた。


元はといえば自分がかくりよとこの世をつなぐ扉を開けてしまったのが原因だ。


「あ、あの、その後見つかりましたか?」


おずおずと質問すると、猫田さんは困ったように眉を寄せて「なかなか苦労をしています」と、答えた。


「そ、そうですか」


呟くように返事をすると会話が止まってしまう。