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それから天井裏に隠された日記も発見して、全員でリビングへ戻ってきていた。


エミの母親はエミの秘密の日記を読んで泣いていた。


そこに書かれていたのは自分の治療のことと、楽しい学校のことだった。


《明日は学校に行けるから楽しみ!》


《同じクラスの大田君はとっても優しくていい人》


《担任の福田先生は時々オヤジギャグを言う。それをまねするのが流行り》


「エミさん、本当に学校が好きだったんですね」


その日記から溢れでる好きという気持ちは嘘じゃない。


「エミ……ごめんね。お母さん、エミが死んだことをどうしても受け入れたくなくて、イジメがあったんだなんて思い込んで……」


「ううん。わかってくれたなら、もういいの」


母親の隣に立つエミさんが答える。


その瞬間母親が驚いたようにエミさんへ顔を向けた。


見えていないはずなのに、2人の視線が合わさる。


「不思議。今ここにエミがいるみたい」


怜美は大きくうなづいた。


「きっといますよ。すぐそばに」


エミはクスッと微笑んだのだった。