ふたりぼっちの孤城

彼女の身辺を整理する為にはそれなりの人脈がいる。

ただ解雇するというわけにはいかない。

使用人の中には家同士の繋がりのために雇われている者もいるからだ。

だから解雇ではなく遠方に飛ばす又は他家への推薦状を出し追い出すという方針でいくことにした。

それから2ヶ月、彼女が学校に行っている間や社交パーティの際にコツコツと人脈を広げていった。

ここでミスをしてしまったら今後に響くので、彼女の相手をしている時の次に丁寧な対応を心掛けた。

今まで怠けていた分疲労を感じたが、彼女が癒してくれるので問題なかった。

最近では彼女の希望でご一緒に食事をとらせて頂いている。

今日あったことをニコニコと報告してくる様子が大変可愛らしい。

それが終われば宿題、勉強、宿題、勉強・・・と忙しそうだ。

まだ知識を詰め込む年齢ではないと思うが、彼女が一生懸命取り組んでいるので応援することにした。

そんなある日。


「うわぁぁああぁん、ゃ、山吹ぃ」


丁度洗濯物を取り込んでいた私の元へ彼女が大泣きしながら戻ってきた。

洗濯物を落としてしまったがそんなこと気にしている場合ではなく、ただ私は彼女を抱きとめた。