結局今回もわたしが言い負かされてベッドに寝かされた。 枕元にいたルミを抱きしめる。 これは山吹と出会ってまもない頃に誕生日プレゼントとして貰ったものだ。お日様の匂いがする。 山吹にガラス細工に触れるように優しく頭を撫でられる。 こうされると頭が冴えてしても眠気がどんどんわたしの中を占領していく。 「おやすみなさい椿お嬢様。いい夢を」 「おやすみ、山吹」 眠りに落ちる寸前、今日はちゃんとそう返せた気がした。 1日は貴方で始まり貴方で終わる。 あぁなんて素敵な日常だろう。