ふたりぼっちの孤城

彼女は私に心を開いてくれたのか、たくさんお話をしてくれた。

あまり使用人と関わりたがらないと報告を受けていたが、ただ単に気を許していなかっただけらしい。


「山吹はわたしのしつじ?だからとくべつ!」

と無邪気に笑って言ってのけた。


すっかり遊び疲れてしまった彼女はいつもより早い20時半にベッドに潜り込んだ。


「おやすみなさい。良い夢を」


彼女が布団に布団をかけ、立ち去ろうと体の向きをかけた時だ。

彼女に服の裾を掴まれた。


「どうかされました?」


彼女の手は微かに震えていた。

今日1日で1度も見なかった素振りだ。


「お母さまが生きてたころはね、いつもいっしょにねてくれたの。だから山吹もいっしょにねてちょうだい」
「えー・・・っと・・・それは少々問題が・・・・・・・」
「いいからねるの!1人でねるのはこわいの!」
「・・・畏まりました」


本当はそんなことをしてはいけない。

男女で寝ることはどんな年齢であれ不貞を疑われるからだ。

でも彼女をついつい甘やかしてしまった。

まぁ私の技量にかかれば誰にも気づかれずに済むと思うから大丈夫か。