ふたりぼっちの孤城

父に対し喧嘩を売るような発言をしたのだ。

本当に勘当されるかもしれない。


(いやそれよりテキトーなとこに嫁がされそうだわ)


今更どう足掻いたって何も変わらない。

もう寝ようとベッドに潜り込んだ、その時だった。

稲妻が駆け抜けた。

電気の塊が叩き落とされた。

全身から嫌な汗がぶわっと溢れ出てきた。

呼吸が乱れる。

ルミをギュッと抱きしめても震えが止まらない。

布団を頭から被っても雷鳴が轟く。

雷は嫌い。怖い。大っ嫌い。

お母様が死んだ日と同じだから。

その日のことは未だに夢に見る。


夕方には帰るって言ったのに全然帰って来なくてふて寝して、次の朝ようやく帰ってきた思ったらお母様は冷たくなっていた。

そのまま通夜から埋葬までがあっという間に行われた。

わたしは現実が受け止めきれなくてただただ唖然としていた。

何故お姉様があんなにも泣きじゃくるのか理解が出来なかった。