勢いよくカーテンが開けられた音で目を覚ました。

日光が直接降り注ぐ。

目をしばしばさせながら今日やってきた人物を捉えた。


「おはようございます!椿お嬢様」
「柊!?」
「はい。お久しぶりです!今日のお嬢様のお世話はこの柊が務めさせて頂きます」
「そ、そう」


この天真爛漫少女は柊弥生(ひいらぎやよい)。

数年前に雇われたメイドだ。

今はお姉様の専属として働いている。

何度か話したことがあるので1日目と2日目とは違い、さして警戒心は抱かなかった。

口が軽いところがたまに傷な人だ。


「ほら今日はお嬢様がお好きだというオムレツですよ」


朝から元気な柊はほらほら〜とまだ目が覚めきっていないわたしを洗面台の前へ行くように促した。


「そんなことよく知っていたわね」


この子結構強引ね、と思いながら顔を洗う。


「理人さんからそう伺ったので」
「・・・へぇ」


顔を拭く手が一瞬止まった。