『再来週4日間お休みを頂いても宜しいでしょうか?』


山吹のとんでも発言から一夜明けて、ようやくその言葉を飲み込めたので詳しい事情を聞いてみた。


「理由、ですか?」


起きて早々着替えもせずに質問をしたわたしに対し、山吹の目が瞬く。


「そう。今までだって『有給溜まってるから休んだら?』って言っても『お嬢様には私がいないとダメでしょう』って言って1回も休んだことなかったじゃない!」


山吹は本当の本当に私情で仕事を休んだことがない。

あったとしても熱を出したとかそういう仕方ない理由だけだ。

わざわざわたしに確認をとってまで休むことはなかった。


「そう言えばそうですね?」
「だから何があったんじゃないかって心配なの」
「心配、してくれるんですか」
「当たり前よ!それより早く答えなさい」


詰め寄ると何故か嬉しそうにニコーっとされた。

無邪気な子供の笑い方だ。

活き活きしている。


「敢えて言うなら・・・そうですね。将来の準備、と言ったところでしょうか」
「準備・・・?」
「はい」


もしかしたら昨日話したことが関係しているのかもしれない。