開き直られた。

いつもの山吹だ。

変わって欲しくない。

でももう少し敬って欲しい。

歩くことを促すように山吹がわたしの背中にそっと触れた。

菖蒲さんに触れられたときのような不快感は襲ってこない。

むしろ安心する。


「ほらむくれていないで、早く帰ってビーフストロガノフ一緒に食べましょう」
「・・・食べる」


山吹に甘えるように幼い言葉遣いになりながらわたしは会場を後にした。

そして言うまでもないが、ビーフストロガノフはとてもとても美味しかった。