てっきりまた再来週とか言われるものだと思っていた。
「そうです。ここを離れて私との2人暮らしが始まります」
「篠原夫妻は?」
「同じ家には住みませんよ。私達が気を使うといけないからと、あちら側から提案してくださいました」
「そう」
篠原夫妻の心遣いに感謝する。
せっかく山吹と逃げるのなら2人でゆったりと暮らしたいと思っていたのだ。
ようやくここから解放されることが分かり肩の荷がおりた。
「ご苦労だったわね。ありがとう、山吹」
心からのお礼を言うと、何故か山吹は意地の悪い笑みを浮かべた。
「椿から労いの言葉をいただけて大変嬉しいのですが、私はもう山吹ではありませんよ?」
それと同時に期待するような眼差しを向けてくる。
前は無理に呼ばなくていいと言ったくせに、ここで強請ってくるのはずるい。
「・・・・・理人」
「はい。よく出来ました」
たった1度名前を呼んだだけなのに、心底嬉しそうに山吹─────いや、理人は微笑んだ。
「そうです。ここを離れて私との2人暮らしが始まります」
「篠原夫妻は?」
「同じ家には住みませんよ。私達が気を使うといけないからと、あちら側から提案してくださいました」
「そう」
篠原夫妻の心遣いに感謝する。
せっかく山吹と逃げるのなら2人でゆったりと暮らしたいと思っていたのだ。
ようやくここから解放されることが分かり肩の荷がおりた。
「ご苦労だったわね。ありがとう、山吹」
心からのお礼を言うと、何故か山吹は意地の悪い笑みを浮かべた。
「椿から労いの言葉をいただけて大変嬉しいのですが、私はもう山吹ではありませんよ?」
それと同時に期待するような眼差しを向けてくる。
前は無理に呼ばなくていいと言ったくせに、ここで強請ってくるのはずるい。
「・・・・・理人」
「はい。よく出来ました」
たった1度名前を呼んだだけなのに、心底嬉しそうに山吹─────いや、理人は微笑んだ。



